防災・電源

【南海トラフへの備え】地震が多発する今、ポータブル電源が「保険」ではなく「必需品」である理由

大地震で打ち上げられた船と家屋
toyolog
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フィリピンでM8クラスの巨大地震。日本にも津波が到達した

2026年6月8日朝、フィリピン・ミンダナオ島の沖合でマグニチュード7.8〜8.2と解析される巨大地震が発生しました。現地では約1.5mの津波が観測され、多数の犠牲者が出ています。

そして、この地震は「遠い国の出来事」では終わりませんでした。

約2,500km離れた日本の沿岸にも津波注意報が発表され、実際に最大20cmの津波が観測されたのです。出勤・通学の時間帯に鳴り響いたスマホの通知に、ヒヤッとした方も多いのではないでしょうか。

思い返せば、今年は地震のニュースが途切れません。

  • 2026年4月20日:三陸沖でM7.7の地震が発生
  • 2026年5月〜6月:新潟県上中越沖、奈良県、千葉県北東部、長野県中部、沖縄本島近海など、全国各地で体に感じる地震が連日のように発生
  • そして6月8日、フィリピンでM8クラスの巨大地震・津波

環太平洋の地震活動が活発な今、「次は自分の住む町かもしれない」という想像は、決して大げさではありません。

南海トラフ巨大地震は「30年以内に60〜90%程度以上」

政府の地震調査委員会は、南海トラフ巨大地震が今後30年以内に発生する確率を「60〜90%程度以上」と評価しています(2025年9月に見直し。別の計算方法による「20〜50%」も併記)。どちらの数字も、地震の危険度としては最も高いランクに入ります。

この数字がどれほど高いか、ピンと来ないかもしれません。たとえば交通事故で負傷する確率や火災に遭う確率よりもはるかに高い——つまり、私たちが当たり前のように保険をかけているリスクよりも、ずっと起こりやすいということです。

内閣府が2025年に公表した最新の被害想定では、最悪のケースで死者は約29万8千人。そして見落とされがちなのがライフラインの被害です。

  • 西日本を中心に数百万〜数千万軒規模の停電が発生
  • 被害の大きい地域では電気の復旧に1週間以上
  • 断水や通信障害は、さらに長期化する想定

東日本大震災でも、停電の完全復旧までに数日〜1週間以上かかった地域が多くありました。南海トラフ地震は被災範囲が桁違いに広いため、「3日我慢すれば電気が戻る」という前提は通用しない可能性が高いのです。

停電したら、何に困るのか? 想像してみてください

「電気が止まる」と一言で言っても、実際に困ることは想像以上に生活の根幹に関わります。

① スマホが使えない=情報と連絡手段を失う

災害時、スマホは「安否確認」「避難情報の入手」「家族との連絡」のすべてを担うライフラインです。しかし、災害時は基地局を探して電波を掴もうとするためバッテリーの消耗が早く、普段より早く電池が切れます。モバイルバッテリー1本では、家族全員のスマホを数日間まかなうことはできません。

② 冷蔵庫が止まる=食料が腐る

停電から数時間で冷蔵庫の中身は危険水域に。せっかく備蓄していた食材も、夏場なら半日で台無しです。

③ 夏の停電は「命の危険」

南海トラフ地震がもし真夏に起きたら——エアコンも扇風機も使えない室内は、熱中症のリスクが一気に高まります。特に小さなお子さんや高齢のご家族がいる家庭では、扇風機1台を回せるかどうかが命に関わります。冬なら電気毛布が使えるかどうかで、避難生活のつらさはまったく違います。

④ 医療機器・ペット・在宅ワーク

CPAPなどの在宅医療機器、ペットの温度管理、仕事用のPC。「電気がないと成り立たない暮らし」を、私たちはすでに送っています。

こうした不安をまとめて解決してくれるのが、ポータブル電源です。

ポータブル電源の選び方|防災目的なら「容量」と「ソーラー充電」が鍵

容量の目安(Wh=ワットアワー)

容量できることの目安向いている人
〜500Whスマホ約20〜40回充電、ライト、ラジオ一人暮らし・最低限の備え
1,000Wh前後上記+電気毛布一晩、扇風機、小型冷蔵庫数時間家族の防災用の定番
2,000Wh〜上記+冷蔵庫を長時間、電子レンジや炊飯も在宅避難を本気で想定する家庭

防災目的の最初の1台なら、1,000Whクラスがコスパと実用性のバランスで圧倒的におすすめです。

必ずチェックしたい3つのポイント

  1. リン酸鉄リチウム(LFP/LiFePO4)バッテリー採用か
    約3,000〜4,000回の充放電に耐える長寿命で、熱安定性が高く防災向き。10年使える「備え」になります。
  2. 定格出力(W)
    電気毛布や扇風機なら問題ありませんが、電気ケトルやドライヤーを使いたいなら1,500W以上が必要。
  3. ソーラーパネルで充電できるか
    これが最重要。次の章で解説します。

【最重要】ソーラーパネルがあれば「停電が長引いても」電気を自給できる

ポータブル電源単体の弱点は、「使い切ったら終わり」であること。1週間以上の停電が想定される南海トラフ地震では、蓄えた電気だけで乗り切るのは不可能です。

そこで必須になるのがソーラーパネルとのセット運用です。

  • 晴天なら100〜200Wのパネルで1日あたり数百Whを発電可能
  • 「昼にソーラーで充電 → 夜に使う」サイクルを回せば、停電が何日続いても電気が尽きない
  • 折りたたみ式ならベランダや庭、車のダッシュボードでも設置OK。工事不要

ソーラー充電のコツ

  • パネルは太陽に対して垂直に近い角度で設置(地面に平置きすると効率が大きく落ちます)
  • 太陽の移動に合わせて、朝・昼・夕方に向きを変えるだけで発電量アップ
  • 曇りでも発電量はゼロではない。あきらめずに広げておく
  • メーカー純正パネルなら接続トラブルの心配がなく、災害時でも確実

つまり、「ポータブル電源+ソーラーパネル」のセットで初めて、本当の意味での停電対策が完成するのです。

「防災のためだけ」じゃもったいない。日常使いで元を取る

ポータブル電源は決して安い買い物ではありません。しかし、押し入れに眠らせておく防災グッズとは違い、日常的に使い倒せるのが最大の魅力です。これは「フェーズフリー」(日常と非常時の垣根をなくす考え方)と呼ばれ、防災の新常識になりつつあります。

日常での活用例

  • キャンプ・車中泊:電気毛布、ホットプレート、プロジェクターで快適度が激変
  • ベランダ・庭でのDIYや高圧洗浄:延長コード不要
  • 電気代の節約(ピークシフト):深夜の安い電力やソーラー発電分を昼間に使う
  • 在宅ワークの停電・瞬停対策:UPS機能付きモデルならPC作業中の停電も安心
  • スマホ・PC・カメラの充電ステーションとしてリビングに常設

普段から使っていれば、操作にも慣れ、バッテリー残量の管理も習慣になります。「いざという時に使い方がわからない」「充電が空だった」という防災グッズ最大の失敗を防げるのです。

我が家の防災電源|実際に使っている Jackery ポータブル電源 708

ここまで選び方をお伝えしてきましたが、最後に、私が実際に使っているポータブル電源を紹介します。Jackery(ジャクリ)の「ポータブル電源 708」です。

きっかけは、1週間続いた台風の停電

10年ほど前の台風で、自宅が1週間ほど停電したことがあります。電気のない生活の不便さを身をもって知り、最初は発電機の購入を考えました。

ただ、エンジン式の発電機は音が大きく、住宅地では近所迷惑になりそうです。そこで、エンジン音のしないポータブル電源を探すことにしました。いろいろ見ていて目に留まったのが、オレンジ色が印象的なJackeryです。(今思えば、広告が上手だったのかもしれません)

Jackery ポータブル電源 708 の正面(残量100%表示)
私が使っている Jackery ポータブル電源 708(残量100%の表示)

Jackery ポータブル電源 708 のスペック

  • 容量:708Wh
  • 定格出力:500W(瞬間最大1,000W)
  • 重さ:約6.8kg
  • 出力:ACコンセント×2、USB-C、USB-A、シガーソケット
  • 充電時間:家庭用コンセントで約5時間

実際に使ってみて

停電のときに、自宅で使いました。そのときは電気がすぐに復旧したので、使ったのはスマホの充電だけでしたが、「いざとなれば電気がある」という安心感がありました。

ソーラーパネルも一緒に買ったので、真夏の晴れた日に、パネルを庭に広げて充電も試してみました。太陽さえ出ていれば、停電が数週間続いても電気をつないでいけそうだと感じています。

Jackery ポータブル電源 708 をソーラーパネル SolarSaga 100 で充電しているところ
ソーラーパネル(SolarSaga 100)とつないで充電しているところ

良かったところ

  • エンジン式の発電機と比べて、持ち運びが簡単
  • エンジン音がしないので、住宅地でも気をつかわずに使える
  • 家庭用コンセントから充電できる
  • 1回満充電しておくと、3か月ほどたっても残量が90%くらい残っている。防災用に置いておくのに安心

気をつけたいところ

708は定格出力が500Wなので、電子レンジやドライヤー、IH調理器のような消費電力の大きい家電は使えません(メーカー公表スペックより)。スマホの充電や照明、扇風機、電気毛布など、防災の基本的な用途に向いた1台です。

一緒に買ってよかった、充電式ランタン

停電のときは懐中電灯を使っていましたが、テーブルに置けるランタンもあると便利だと思い、Jackeryの充電式LEDランタンを追加で買いました。乾電池がいらないので、電池切れや買い置きの心配がなく便利です。

Jackeryの充電式LEDランタン
Jackery の充電式LEDランタン

Jackery 充電式LEDランタン(公式サイト)

これから買う方へ

私の708は、現在Jackery公式では新品の販売が終わっています(2026年10月時点。整備済品も売り切れでした)。

今から選ぶなら、同じJackeryの「ポータブル電源 1000 New」が候補になります。容量1,070Wh・定格出力1,500Wで、708では使えない電子レンジなどの家電にも対応します。電池は長寿命のリン酸鉄リチウムイオン電池で、約4,000回の充放電に対応しています(メーカー公表)。

※1000 Newは私は未使用です。上の「選び方」の基準と、メーカー公表のスペックをもとに選んだ候補です。

Jackery ポータブル電源 1000 New(公式サイト)

まとめ|「あの時買っておけば」と後悔する前に

  • 2026年6月、フィリピンでM8クラスの巨大地震が発生し、日本にも津波が到達した
  • 今年に入って三陸沖M7.7をはじめ、日本各地で地震が多発している
  • 南海トラフ巨大地震の発生確率は30年以内に60〜90%程度以上。広域・長期の停電が想定される
  • ポータブル電源+ソーラーパネルがあれば、停電が何日続いても電気を自給できる
  • キャンプや節電など日常使いできるから、「使わなかったら無駄」にならない

防災グッズの多くは「使わないことを祈って買うもの」ですが、ポータブル電源は違います。普段の暮らしを便利にしながら、いざという時に家族の命を守る——そんな投資は、そう多くありません。

大きな地震が起きた直後は、防災用品が品薄になりがちです。落ち着いて選べる今のうちに備えておくのがおすすめです。

「備えよう」と思った今日が、いちばん早い日です。

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なにかを気づいた今日が「一番若い日です!」
とよ(ハウル)
とよ(ハウル)
60代の暮らし道具レビュアー
鹿児島県出身。
還暦を過ぎて、ゴルフも野球も現役です。

体力の衰えと向き合いながら趣味を続ける工夫や、年々大切さを感じる防災への備えなど、60代の目線で「実際に使ってよかったもの」を書いています。

【紹介の基準】
このブログで紹介している道具は、原則として自分で購入し、実際に使ったものです。使ってみて合わなかった点も正直に書きます。
まだ使っていない商品を紹介するときは、「未使用」であることを記事の中で明記し、選んだ理由(仕組み・評判・価格など)をお伝えします。使った後は感想を追記します。
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